痔になって肛門外科に行った話(後編)
先に言っとく、見づらいし読みづらいよ。
ようこそ僕のショートショートへ。
この記事は(後編)となっております。(前編)から読むことをお勧めします。
りゅうちぇるも言ってたんだけどさ子供と一緒にお風呂入ってお風呂でおもちゃで遊んでさ、あがったあと遊び終わったおもちゃをタオルで全部拭く。
その瞬間が1番幸せだよな。
嗚呼、生きてて良かった…
ピーポーピーポーピーポーピーポー。
ウィン…
ガラガラガラガラガラガラガラガラ
「滝澤さん聞こえますか?病院ですよ!」
「この患者は?」
「滝澤駿さん、23歳。血圧120の70。心拍65。痔瘻です。」
「すぐに手術が必要だ。急げ!」
「さぁベッド移すぞ、せーの!」
「滝澤さん、大丈夫ですよ!服脱がせますね!」
ブッシャーーーー(血の吹き出る音)
ポポポン。
「血圧低下してきています!心拍も落ちてきています!!」
「くっそ、どうして痔瘻で血が流れるんだ!」
ピーーーーーーー。
「先生!!心停止です!!」
「分かってる!!CPRだ!!!」
「戻ってこい!戻ってこい!!こんなとこで死ぬな!戻ってこぉぉぉぉぉいぃぃぃ!!!」
目の前が真っ暗になった。
ん?ここはどこだ?
だいぶ寝てたような気がする。
でもあまり思い出せない。
ゆっくり、順に思い返してみよう。たしか入院数日前に血液検査をした気がする…
血液検査か久しぶりにやるな。
たしか中学だったか忘れたけど大掛かりな身体測定で心電図とか測るのと一緒にやったな。
当時の俺は
ゴリゴリに不良で尖っててあだ名がとんがりコーンだった
(めっちゃ真面目で学級委員長とかやってて学年集会で、はじめの言葉とか言ってた)
から血液検査の時も自分の体から血が抜けるのをまじまじ見つめて
「体から血抜かれるのとかまじ平気でむしろガン見できるし俺カッケェ!」
って思ってたんだけど大人になってやってみると見れたもんじゃなかった。
そうか、俺は痔瘻で入院してるだ。全て思い出した。
だがこれは始まりに過ぎない。
僕らの戦いはまだまだこれからだ。
ご愛読ありがとうございました!
滝澤駿先生の次回作にご期待ください!
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お遊びはここまでだ。
てなわけで血液検査をした数日後に入院した。
手術の前日からだな。
病室は5人の相部屋さ。個室の部屋だと別途で金とられるからな。まぁカーテンで完全に仕切られてるしおれは全然気にならないタイプだから良かった。
しかも部屋の角のベッドだったから両隣に人がいる状態じゃなかったから最高だった。
オセロとベッドは角取ると嬉しい。
妻と子供が病院まで送ってきてくれたんだけどまぁそんな長くいてもあれだったから帰っちゃってよ。
入院初日は暇だったよ。
下剤を飲まされるまではな。
妻と子どもが帰って程なくして先生と看護師さんが今後のスケジュールとか説明をしにきたんだ。血液検査の結果も教えてくれた。
性病とかはなかった。
「夕飯は出される量の半分だけ食べて寝る前に下剤をコップいっぱい飲んでね」
そう軽く言い放ち先生たちはどこかへ行ってしまった。
まぁここでは俺は奴らに従うしかねぇ。治して貰わなきゃならねぇからな。
「治さないことなんて簡単なんですよ。」
そう言われたら何も言い返せねぇから。
逃げようにもSECOM入ってるし。
で、半分食って寝る前に下剤を飲んだってわけ。
ちなみに下剤初めて飲んだけどポカリの味した。
ポカリに溶かしてたのかもしれないし、下剤ってポカリに近いのかもしれないし、ポカリが下剤なのかもしれないし、水より水に近い水なのかもしれないし、ただのポカリを下剤だと思って飲んだから催眠術でなったのかもしれないし…
もうなにがなんだか。
そして試合開始さ。おれと下痢との。
下剤は30分ほどで体全身にまわり俺を苦しめた。
まぁ5.6回行ってもう出なくなってさすがに眠さも相まって寝たけどさ。
手術中にぶちまけない為にはね☆
手術当日。
ちなみに下剤以降断食。手術翌日まで。
看護師さん
「よく眠れましたか?」
逆に問いたい。
「今日はよく眠るために下剤飲んじゃお♡」
みたいな人がいるのかと。
でも下剤は余興に過ぎなかったんだ。
なんでかって?まぁ落ち着いてゆっくり聞いてくれ。
手術で邪魔だからケツ毛は剃られた。これはまぁいいさ。
そして何本か注射を打たれた。その内2本は筋肉注射だったからクソ痛かったがこれもいい。
『浣腸』
こいつが1番の元凶さ。前日に下剤を飲んで搾り取ったのにもかかわらずさらに俺から搾り取ろうとしてきやがる。
500mlを2回注入。注入後5分耐えないといけない。正直2回とも4分になるかならないかで出した。
人間の体は8割水分だ、みてぇな本当かどうかわからない言い伝えあるけど、この時の俺は10割浣腸液で出来てたな。
そして俺はすっからかんになっていざ手術に挑むってわけ。
手術室には普通に歩いていく。点滴転がしながら。
よくある医療ドラマでは涙流しながら寝た状態で親とか恋人とかに見送られるけど全然違った。
まぁ痔瘻だし。
中に入るとクラシックが流れてて、先生が試合後のあしたのジョーみたいな感じで座ってた。
「なに燃え尽きてんだよ。俺1人目だぞ?」
なんてことは微塵も思わずきっと士気を高めてるんだろうなと思った。
まずは座らされて麻酔を打たれる。今回は下半身麻酔。腰のとこに一突き。割と痛くてなにかが注入されてく感じ。
そして片方ずつ足にビビって電気が走る感じになって完了。あとは看護師さんに押し倒されて…
まだ感覚あるかもみたいな感じで動かせそうだったけど多分無理だったんだと思う。やらなかったからわかんないけど。
うつ伏せになって手術開始。
電気メスで先生はどんどん切り進めていく。
ジジジジって音ともに少し香ばしい香り。焼き鳥食いてぇとは思わない程度。
心なしか痛かったから麻酔効いてねぇじゃん。とか思ったけど今思えば麻酔効いてなかったら死ぬほど痛いと思うから麻酔効いてるね。
でもなんだかめちゃめちゃお腹が圧迫されてるっていうか中からポンポンされてる感じで痛かったからそれを先生に言ったら
「緊張したり、ビビってたりするとなるやつ」
って言われて俺としたことが完全敗北。
でも普通にビビってたのは事実。
手術はあっという間。
10分程度だったと思う。最後に摘出した痔瘻を触らせてくれた。もちろんガーゼみたいなのに包まれてたから生では見れなかったけど。
手術をしてみて俺がオケツを削ぎ取ったことによってまた何人目かのブラックジャックの顔が助かると思うと貢献してるな、これが本当の献ケツだ。って思った。
終わる頃には完全に下半身は動かなくなってたからベッドまで寝た状態で転がしてもらってせーので持ち上げてもらって自分のベッドに寝た。ここから6時間完全安静だ。
なにかしようにも下半身動かないからね。
でも携帯もいじっちゃダメだし、ピアスも外してたから付けたいけど置いた場所が遠くて取れないし、案外眠くないしでクソ暇だった。
携帯依存だから3時間くらいでいじってたけどね。
看護師さんに時計見たいからとか適当なこと言って取ってもらった。
そして6時間後。
絶対安静解除。エンペラータイムは使いすぎると寿命が縮まるからな。6時間エンペラータイムだったから900日縮まった。
ごめん何でもない。
てか5時間経ったくらいから麻酔が切れ始めてクソ痛くなったの。だから動いていいよって言われた途端に痛み止めを飲んだ。これは確実に配布されてて痛かったら飲む。術後は2錠も飲んでいいから助かった。てかまぁこれはみんな飲むんだろうね。痛いから。
動いていいよってなったとは言っても先生が次の日に来るまで座っちゃいけないから寝てるか立ってるか。
だから基本寝てたけど。
翌日。
朝ごはんから普通に食べていいらしく立って食べた。うんちがしたくなったらどうしようとも思ったけどまぁ気にせず食べた。
でもこの時の俺は好きな食べ物が痛み止めだったから朝ごはんは痛み止めを飲むための踏み台として使った。
痛み止めが大好物になっていた名残なのか俺はハンバーグが好きだ。
この日からあとは痛みと暇と2時間に一度のウォシュレットと1日3~4回のお尻だけ入浴との戦いだ。
痛みは日に日に良くなるし、暇なのはゲームとかやってれば何とかなるがやはりウォシュレットとかがめんどい。
感染症の予防でお尻に大きな傷があるわけだから清潔な状態を保つためにもやらないとなんだけど毎度毎度は本当に大変だ。
お尻に当てている綿花の交換もだからな。
これだけは言いたい。
もともと俺は女性の生理について馬鹿にしたりしない派で出来るだけ男性は理解してあげなきゃならないと思っていたが今回俺はほんの少しだがさらに女性の大変さが分かった。
巷では俺のあだ名が『はだおもい』か『超熟睡ガード』になってるからだろう。
いやまて、こーゆーのは良くない。
まぁ女性からの人気が急上昇中だがごめんな、俺結婚してるんだ。
てなわけで俺は入院してたんだけど入院中のストーリーはインスタにもまとめてあってアーカイブ残してあっから見てくれよな!
最後に相部屋の秩序ってやつを教えよう。
入った初日は新入り。そこから1日1日と先輩が一人前になって出ていく。それまでは上の人が不快になる動きはしてはならねぇ。
そして俺も入院4日目っちゃあ相部屋の長となっていたんだが、
なんでなんだよぉぉぉおおぉおおぉ
新入りのいびきがうるさい。
まぁ俺は優しいから我慢したがあいつが長になったことを考えるとまた古傷が痛むぜ。痔の。
ここまで俺のカシミヤタッチの文章読んでくれてありがとう。
まだ完治には至らないが退院して仕事もしてまたここに帰ってこれて嬉しく思うぜ。
文豪になりたくて
Fin