文豪になりたくて

ショートショート

俺はTime is moneyをとるよ。もちろん金持ちにもなるけど。

先に言っとく、見づらいし読みづらいよ。

 

ようこそ僕のショートショートへ。

 

現場から駐車場は遠い。チャリで10分かからないくらい。

帰りにチャリを漕いでるとなんだかいい香りがする。多分だけどキンモクセイってやつだな。しらねぇけどきっとそうだ。ありゃいい香りだよ。

 

そんな香りにつられ俺はもし過去にに戻れるならって考えるんだけどさ。

そりゃ思い返してみれば今より過去の方がすげぇ楽しかった。過去にすがりつきたくなっちまうぜ。

でも過去に戻ったら子供に会えなくなるんだよな。

それ考えたら、たとえまた全く同じ俺の倅が生まれたとしてもやだな。今までの思い出があるからな。

そんなことを考えてると涙が零れ落ちて口に入る。キンモクセイのいい香りと涙のしょっぱさ。

キンモクセイって食うとしょっぱいんだなってことがわかった。

 

 

増税前寄ったファミマでタバコ買ったんだけど爺さんの店員が

「誰もカートンで買わねぇなぁ」って。

「タバコ吸ってる人はいくらになっても買うんじゃないですかね?」

なんて会話のキャッチボールは暴投レベルの返事をしてしまった。

そしてもう1人の僕が

「俺は今すぐにでもタバコやめたい、てかやめてたのにタバコハラスメントで職業柄で吸ってんだよ。種銭叩いてな。カートンで買うわけねぇだろ。いけブラックマジシャンガール、

『黒魔導爆裂波(ブラック・バーニング)』」

爺さんのLPはゼロになった。

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俺が限界集落で暮らし始めてどれくらいの月日が経っただろう。

見知らぬ野菜が玄関に置いてあり、そして20時には就寝するこの村で俺は生きている。

 

住むとこを決めてから仕事を選べと先人たちは言ったものだがどうやらおれは間違えてしまったようだ。週6の仕事の通勤は1時間ほどかけて向かっている。もちろん交通費など皆無だ。

今の現場は完全に自分で行っているがこの前一旦先輩の家に寄ってそこからは先輩のハイエースに乗り合いで行ってみた。

帰りの時間が1時間も遅くなったよ。驚きだよな?

1時間も帰りの時間が違うと村は真っ暗。もぬけの殻にでもなっちまった気がする。一寸先は闇の道路で車を走らせているとクマはおろか妖怪でも出るんじゃないかって。

そりゃあ乗り合いで行った方が節約にもなる。しばらくこの現場だからちりも積もればの原理でかなりの節約になるだろうな。でも俺は時間をとるよ。

タイムイズマネー、時は金なり。

若さは財産だからな。

 

大富豪の年老いた爺さんが

「老いぼれにはこんな大金はいらないよ」

と寂しそうに言ってた。

だから俺は言ってやったんだ。

「5000兆円くれよ」

ってな。

 

文豪になりたくて

Fin