誕生日に勝利の女神は微笑むのか
先に言っとく、見づらいし読みづらいよ。
ようこそ僕のショートショートへ。
史上最強と言われた台風19号が過ぎた。
台風一過ですげぇ晴れるみたいなこともなく、どんよりしていて時より激しい雨まで降ってやがる。
長野県に住んでいる俺は毎回毎回台風なんて、いっさい関係ないと思ってた。
台風で学校が休校になってほしいとか誰もが長野県に住んでたら思ってただろ?
今回まさかこんなことになるなんてな。
俺のとこは1度避難した程度であとは水道の水が少し濁った程度で大丈だったが千曲川の氾濫、堤防の決壊で長野市あたりはかなりやばいらしい。
みんなの無事を祈っている。
そして長野県だからとか、これまでの常識は覆された。いつ何があってもいいようにしておこうな。
備えあれば憂いなしだぜ。
誰もが主役、主人公、ヒーロー、ヒロインになれる特別な日。
みんなから祝福される日。
そう誕生日。
俺は10月14日、誕生日をむかえた。
ハッピーバースデー俺。
子供の頃や高校、大学の時はみんなに祝われたが今は俺も1児のパパ。いい大人である。
昔のようにワイワイ祝われるのもいいが妻や子供に祝われるのも悪くない。むしろ最高だ。
こんなプレゼントだって何にも変えられないかけがえのないものになるんだぜ?
プライスレスってのはこのことだ。
ありがとな。
そして本題だ。
俺は酒もやらない、タバコも吸わない、と言いたいところだがまぁそこそこにやる。
でもギャンブルはやらない。まぁ正確に言うとやったことはあるが数える程度。そして友達と行ったりで大金を使ったりはしたことはない。
1人で行こうとも思わない。
でも博打ってのは夢があるってのは知ってる。
一攫千金って言葉もな。
だから俺は思ったんだ。
誕生日くらい大勝負してみてもいいんじゃねぇかなって。
俺は賭けてみることにしたぜ。この自分の意思にな。こいつを握りしめて。
妻の誕生日にプレゼントの買い物した時にもらったんだ。
抽選参加券。しかも俺の誕生日が期限。運命ってやつだな。
その時からやってやるって決めてた。
今日の仕事はうずうずして手につかなかったぜ。
外れれば1050年地下行き。だが当たれば俺は次の日社長にこう言ってやるんだ。
「今日会社休みます。」
ってな。
仕事が終わりついに会場に着いた。会場までは高速で行っちまったが、たかが塩尻から松本、200円程度。
当たればチャラ。むしろプラスだろ。
会場にいる全員死んだ魚のような目をしてた。
みんな人生かけてやがる。
俺もそうだ。
ちなみにエディオンで抽選するだけは恥ずかしかったから単3電池を買った。
抽選券を2枚渡し俺はガラガラに手をかける。
チャンスは2回。
いくぞ。
ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…ざわ…
思ってた以上に手が震えてしまう。
その震えとともに1つ目の玉が落ちた。
手の震えで回してしまったらしい。
『白』
ハズレだ。
だいたい白はハズレさ。全て共通だろ。
だが店員は
「2等が出ましたね。」
だと。
何が起きたかわからなかった。
だがよく見ると白の横に赤い玉が。
勢いよく2つ出たらしい。
「蛇でいてくれて、ありがとう」
てーて、てれてーて、てれてー
俺は勝ったんだ。この勝負に。
2等の商品はフルーチェか洗剤だった。
ガラガラのすぐ横にあったのに俺には全く見えてなかった。むしろ景品について書いてあるボードですら目に入ってこなかった。それくらいガラガラしかみてなかったってことだ。
灯台下暗しとはこのことだろう。
迷わずフルーチェをとった俺は家庭的ではないだろうな。
そしてハズレの白は参加賞のとうもろこしスナックに変わった。帰りの車でそいつはたいらげた。
エディオンの入り口ではキャンペーンで誰でも参加できるサイコロを振って何か当たるよみたいなのもやっていたが1人でやる勇気もなくそれはスルーした。てか恥ずかしくてやらなかった。子供といればできたのに、なんて考えた。
そうだ、この週末は子供とフルーチェでも作ろう。
文豪になりたくて
Fin